カチタス【8919】のIPO抽選申込どうする?
更新: 2017/12/19
目次
カチタスIPOの紹介
(※2017/12/13更新)
コード | 8919 |
---|---|
会社名 |
(株)カチタス |
市場 | 東証一部 |
事業内容 |
空き家となった一戸建てを中心として |
公募売出 価格 |
1640円 ※仮条件の上限 |
上場日 |
2017/12/12 |
初値 12/12 |
1665円 +1.52% |
<管理人コメント>
2004/02名証セントレックスに上場していた前身となる、やすらぎ株式会社が2012/7に上場廃止しています。 ※金融危機を端を発する不動産市況悪化と積極的な投資による投資家への影響を勘案したことによる非公開化
その際、日本住宅再生株式会社によるTOBが行われ、その後に合併しブランド再構築のため2013/07カチタスに商号変更しています。 以前までは投資向けの不動産売買や債権回収・融資のサービスをおこなっていましたが、 現在は、中古住宅再生のビジネスモデルを確立し再上場することとなっています。
需要申告(ブックビルディング)スケジュール
カチタスの株式割り当て抽選への参加は誰でも可能ですが、まず以下の期間に指定の証券会社で需要申告する必要があります。=>IPOの応募の流れやルールなどはこちらを参考
2017/11/27(月)~12/01(金)まで
IPOの申し込み期間は約5日間とかなり短くなっていますので申し込み忘れにご注意下さい。
※申し込み可能な証券会社は、ページ最下部で紹介しています。
IPO抽選対象の株数
(※2017/12/13更新)
23,025,300株
(内訳)
公募: 0株
引受人の買い取り引受による売り出し: 21,056,300株
(国内売出:13,128,900株、海外売出:7,927,400株 ※需要に応じて2017/12/4決定)
オーバーアロットメントによる売り出し: 1,969,000株
過去数年のデータをもとにした市場別の株数のおおよそ規模感
上場市場が未定のため東証一部と二部の両方を掲載しておきます。
=>東証一部に決まりました。
想定売出価格と仮条件の価格
(※2017/12/13更新)
想定売出価格 1640円
仮条件の価格(11/26) 1500~1640円
株主の構成とロックアップ期間など
(※2017/12/19更新)
上位株主の所有割合と一定期間、株の売却ができないロックアップ条件の詳細になります。
氏名、又は名称 | 役職、関係性など | 所有割合 | ロックアップ |
---|---|---|---|
株式会社ニトリホールディングス | 資本的関係会社 | 31.80% | 180日間 |
投資事業有限責任組合 アドバンテッジ パートナーズIV号・ 適格機関投資家間転売制限 付分除外少人数投資家向け |
23.10% | 180日間 保有分売出 (91.45%) |
|
SMS AIV Unlimited Company | 15.10% | 180日間 保有分売出 (94.45%) |
|
Japan Ireland Investment Partners Unlimited Company |
14% | 180日間 保有分売出 (94.45%) |
|
株式会社カチタス | 自己株式 | 6.40% | |
新井 健資 | 代表取締役 | 1.80% | 180日間 |
フォーティースリー投資組合 | 1.50% | 180日間 保有分売出 (94.46%) |
|
AP Cayman Partners II,L.P. | 1.10% | 180日間 保有分売出 (94.46%) |
|
星山 敏秀 | 子会社の元取締役 | 0.90% |
180日のロックアップ期間:2018/06/09まで
しかしロックアップを約束する書面の差入れは2017/12/04の予定でまだ確定ではない?ようなので注意。
ロックアップ期間中でもジョイントグローバルコーディネーターは、裁量で解除、ロックアップ期間短縮できる権限を有しています。
(※大和証券、モルガン・スタンレーPLC、みずほ証券)
売り出し株式の詳細
(※2017/12/19更新)
売り出し対象となっている株式の株主内訳です。
氏名、又は名称 | 役職、関係性など | 株数 | 割合 |
---|---|---|---|
投資事業有限責任組合 アドバンテッジ パートナーズIV号・ 適格機関投資家間転売制限 付分除外少人数投資家向け |
8880890 | 21.16% | |
SMS AIV Unlimited Company | 5780370 | 13.77% | |
Japan Ireland Investment Partners Unlimited Company |
5385890 | 12.83% | |
フォーティースリー投資組合 | 592310 | 1.41% | |
AP Cayman Partners II,L.P. | 416840 | 0.99% | |
合計 | 21056300 | 50.17% |
※海外売り出し分含む
直近の決算状況と業績の推移
2016/03期より連結決算。
2016/03 | 2017/03 | 2017/09 (第2四半期) |
|
---|---|---|---|
売上高 (百万円) |
39337 | 61829 | 33482 |
経常利益 (百万円) |
3340 | 4807 | 3341 |
当期純利益 (百万円) |
1996 | 3494 | 2224 |
1株当たり 配当額(円) |
- | - | - |
1株当たり 当期純利益(円) |
50 | 96 | - |
※単位(百万円)、(円)の小数点以下端数は全て四捨五入で表示しています。
↓ 前年同期比へ置き換えたものがこちら
2016/03 | 2017/03 | 2017/09 (第2四半期) |
|
---|---|---|---|
売上高の 前年同期比 |
- | 57.18% | -45.85% |
経常利益の 前年同期比 |
- | 43.92% | -30.50% |
以下、単独決算のみ。
2013/03 | 2014/03 | 2015/03 | 2016/03 | 2017/03 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高 (百万円) |
34858 | 39716 | 38638 | 39337 | 45206 |
経常利益 (百万円) |
658 | 1430 | 1246 | 3462 | 5092 |
当期純利益 (百万円) |
△ 658 | 544 | 770 | 2119 | 3587 |
1株当たり 配当額(円) |
- | - | - | 4698 | 821 |
1株当たり 当期純利益(円) |
△ 827 | 389 | 550 | 54 | 99 |
※単位(百万円)、(円)の小数点以下端数は全て四捨五入で表示しています。
↓ 前年同期比へ置き換えたものがこちら
2013/03 | 2014/03 | 2015/03 | 2016/03 | 2017/03 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高の 前年同期比 |
- | 13.94% | -2.71% | 1.81% | 14.92% |
経常利益の 前年同期比 |
- | 117.33% | -12.87% | 177.85% | 47.08% |
<管理人コメント>
売上高は、しばらく頭打ち感のある動向でしたが、直近では売上、利益ともに急拡大しています。
これは連結子会社であるリプライスの売上高分(16623百万円)が大きく影響しているようですが、
それを除いても、カチタス単体で約+15%と伸びは拡大傾向にあるのが分かります。
インターネット広告の強化によるリフォーム中継役の促進や不動産仲介会社との販売面での協力体制構築により、在庫回転率が向上したそうです。
またWEB販促の促進により織り込みチラシ広告の削減によるコスト削減もおこなったとのこと。
2017/3時点での成約高は前年同期比で+3.1%となっており、
とりあえずの進捗は前年並みで堅調に推移しているといったところでしょうか。
・連結子会社の詳細
設立 | 会社名 | 事業内容 |
2016/03 | 株式会社リプライス | 中古住宅再生事業 |
2社の販売比率は以下の通り。
業績予想
(※2017/12/19更新)
2017/12/12時点で公表されている業績予想です。
2016/03 | 2017/03 | 2018/03 (予想) |
|
---|---|---|---|
売上高 (百万円) |
39337 | 61829 | 67998 |
経常利益 (百万円) |
3340 | 4807 | 6443 |
当期純利益 (百万円) |
1996 | 3494 | 4490 |
1株当たり 配当額(円) |
4698 | 821 | 26 |
1株当たり 当期純利益(円) |
50 | 96 | 123 |
※単位(百万円)、(円)の小数点以下端数は全て四捨五入で表示しています。
↓ 前年同期比へ置き換えたものがこちら
2016/03 | 2017/03 | 2018/03 (予想) |
|
---|---|---|---|
売上高の 前年同期比 |
- | 57.18% | 9.98% |
経常利益の 前年同期比 |
- | 43.92% | 34.03% |
カチタスの強み
(※2017/11/10更新)
※独自の見解などを含みます。
- リフォーム済みの中古再生住宅というこれまでにない新たな選択肢を提示している
※新築の半額程度で賃貸より安いローン支払いも可能 - 中古住宅の仕入れ、リフォーム、販売までを一貫しておこなっている
- 第三者評価による受賞履歴あり
※2016/2に先進的な的なリフォーム事業者表彰経済産業大臣賞。2017/10にポーター賞 - 中古住宅買取再販において圧倒的なポジションを確立
※販売戸数は同業他社2位以下に10倍差、認知度向上による売上拡大 - リフォーム工事は外注することでコスト削減
※人的コストや各地での移動コストを効率化 - 地方部ではWEBサイトなど自社販売を主体とし、都市部では仲介販売に力を入れている
- 競売物件より買い取りに注力することにより収益水準を上げている
※内覧を行うことで想定外のリフォームを防ぐことができる - 家を売る先としての認知度を徐々に高めている
※三大都市圏を除く31道県でテレビCMを継続的に実施 - 住宅購入後の付加的リフォームの提案で1顧客あたりの売上利益を最大化
- リフォーム中契約の促進により営業人員の生産性向上と在庫回転率を高めている
<管理人コメント>
日本では新築志向が強く、中古住宅を毛嫌いする人もいます。その他、少子高齢化や都市部への一極集中など、空き家が増加している社会背景があります。 中古住宅市場の活性化が望まれるなかで政府も取り組んでおり、リフォームによる中古住宅の価値向上を主としたビジネスモデルは現在の状況にマッチしています。
以下は、販売件数の推移になります。
年々堅調に伸びており、中古住宅が受け入れられていることが分かります。
以下は、競売仕入れと買い取り仕入れ割合の推移になります。
競売仕入れを抑えて、買い取り仕入れに注力することで利益の向上を図っているようです。
年々、買い取り仕入れの比率を高めるようにシフトしてきているのが確認できます。
その他、リフォーム中の段階から契約することを促進して「営業人員の生産性」と「在庫回転率」を上げているそうです。
※以下、カチタス単体の数値。
(販売物件数+買取仕入件数)/((期首営業人員数+期末営業人員数)/2)
売上原価/((期首棚卸資産+期末棚卸資産)/2)
生産性の向上、在庫回転率の堅調な維持などリフォーム中契約の戦略がうまくいっていることが確認できます。
・カチタス テレビCM
<管理人コメント:耐震補強について>
中古住宅の再生販売ということで個人的に気になったのが耐震補強です。
気になったので確認してみたところ、1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の住宅に関しては、費用対効果を勘案してケースバイケースで補強の対応をしているとのことです。
その他には全般的に築年数が古いか新しいかというより、大震災でシロアリ被害と倒壊との相関が高いという調査結果を踏まえ、シロアリの防除や予防への対策を重視しているとのことです。
※保険会社から施工後5年間の保証を受けられる。
耐震性を判断するのはとても難しいものですが、築年数が経過しているということは、それだけその土地で長い間、何事もなく建っていたことを示すもので、中古住宅の方が信頼度はあるという見方もできると思います。※環境を含めて
いずれにしても中古住宅に対する耐震性への対処をどのように考えているかは参考になりました。
カチタスの成長余力
(※2017/11/10更新)
※独自の見解などを含みます。
- 知名度と信頼度向上による売上拡大
※上場効果など - 広告宣伝の強化による売上拡大
※テレビCM、インターネット広告、不動産ポータルサイト - リプライスの子会社化によるカバレッジエリア拡大で販売力拡大
※2016/3子会社化 - ニトリと業務提携によるコスト削減や工務店ネットワークの共有
※2017/4資本・業務提携の契約
<管理人コメント>
直近の売上急拡大要因となっているリプライスの子会社化による販売網の強化は今後も期待したいところです。
リプライスの営業エリア拡大に加えて、カチタスで取扱の少なかった都市郊外部や地方都市部における築年数の浅い戸建てやマンションで販売効率を重視した販売手法で経営戦略にも多様性が生まれているそうです。
今後に期待したい分としては、業務提携したニトリとのシナジー効果です。
リフォーム資材の調達においてコスト削減や工務店ネットワークの共有などリフォームにおいて分かりやすい効果が期待できると思います。
その他には、ニトリの家具を設置して販売することによる顧客辺りの売上高向上や、ニトリの店舗内にカチタスの窓口を設けることによる販売力強化など多くのシナジー効果に期待できそうです。
上場している同業他社の株価チャートをチェックしてみます。
とても強い上昇となっており、中古住宅販売市場への期待は大きいのかもしれません。
同業他社に比べて販売戸数では圧倒的にダントツなポジションを確立しているということは株価への期待も大きくなる?
初値上昇の期待について管理人コメント
(※2017/12/19更新)
<管理人コメント>
空き家が社会問題になっており政府が力を入れていることや、新築住宅志向から中古住宅販売への需要転換に答える事ができる会社として大いに期待したいところです。
ただしかなり注意したいこととしてはやはり、
ベンチャーキャピタルによる売り出しであるということです。
ベンチャーキャピタルは、成長しきったところで売り抜けるものなので警戒したいところです。
ただし今回の場合、ベンチャーキャピタル各社の売り出しは保有分の約57%にとどめていることです。=>海外分を含めると91.45%です。
上場時点での利益確定をしつつも、意外と保有株を残しているのが分かります。
これらはロックアップがガッチリりかかっており、今後の成長に期待して残している部分もあるのかな?という思惑も想像できます。
※ロックアップを約束する書面の差入れが2017/12/04になっているのは一応認識しておきたいです。
そもそも売り出し株数は全体の31%にとどまっているという点は、全体に占めるベンチャーキャピタルの売り出し影響がわりと小さいという点はプラスで捉えられるかもしれません。=>海外分を含めると売り出し株数は全体の約50%です。
要するに今後の成長期待がまだ大きいかどうか?の見極めが重要です。
リプライスの子会社化により、全国展開における販売力強化をしたのが2016/03。
そして、ニトリとの業務提携が2017/04。
それぞれまだ間もなく、成長拡大に期待できるところはあるかもしれません。
それから気になるのはやはり、
大規模案件(東証一部or二部)で公開株数が多いことです。
・2017年でカチタスと同程度規模以上の公開株数だった東証一部銘柄の初値一覧
コード | 銘柄名 | 上場 | 公開株数 | 公募価格 | 初値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3564 | LIXILビバ | 04/12 | 21,910,000 | 2050 | 1947 | -5.02% |
3563 | スシローグローバルホールディングス | 03/30 | 21,134,700 | 3600 | 3430 | -4.72% |
3978 | マクロミル | 03/22 | 27,323,500 | 1950 | 1867 | -4.26% |
スシローグローバルホールディングスと、マクロミルは分かりやすいベンチャーキャピタルによる売り出しですが、LIXILビバは、親会社のみの売り出しです。
やはりこの規模の公開株数だと厳しいのはご覧のとおり。(^_^;
ただし、カチタスの想定売出株価が上記よりもわりと低めに設定されているのはプラスにとらえても良い?
ついでに2016年の結果も掲載しておきます。
・2016年で同規模以上の初値一覧
コード | 銘柄名 | 上場 | 公開株数 | 公募価格 | 初値 | 騰落率 |
---|---|---|---|---|---|---|
9142 | 九州旅客鉄道 | 10/25 | 160,000,000 | 2600 | 3100 | 19.23% |
4189 | KHネオケム | 10/12 | 30,376,500 | 1380 | 1306 | -5.36% |
3938 | LINE | 07/15 | 40,250,000 | 3300 | 4900 | 48.48% |
3543 | コメダホールディングス | 06/29 | 30,700,000 | 1960 | 1867 | -4.74% |
カチタスより規模が大きいものが多いですが、ネームバリューや成長期待によっては上昇することもある?
いずれにしても初値の大幅な上昇は期待しない方がよさそうです。
仮条件の価格がどれくらい上がるか?公募売出価格が仮条件の上限で決まるかどうか?を確認してから、購入決定するのが一番手堅いと思います。
需要申告後に当選しても辞退することを考えるのであれば、
ペナルティを受けない証券会社で需要申告するようにしましょう。
IPOの申し込みが可能な証券会社はこちら
証券会社名 | |
---|---|
主幹事 | 大和証券 |
主幹事 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
主幹事 | みずほ証券 |
引受 | SMBC日興証券 |
引受 | 岩井コスモ証券 |
引受 | エース証券 |
引受 | SBI証券 |
引受 | 岡三証券 |
引受 | マネックス証券 |
引受 | 水戸証券 |
「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」、「SMBC日興証券」は当選辞退した場合のペナルティがあります。
ネット証券で平等抽選であるマネックス証券などは忘れずに申込みしておくことをオススメします。
辞退する可能性があり、抽選で当選しなくてもよいと思っている人でも、IPOポイント目当てでSBI証券にだけは応募しておくといいかもしれません。当選後の購入辞退でもペナルティが無いのでとりあえず応募におすすめです。
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<注意>
IPOに関する情報は、購入申し込み期間直前まで改定される場合があります。必ず最新の目論見書で内容をご自分で確認してから申し込むようにして下さい。ここで紹介した内容に間違いなどがあったとしても責任は持てませんので自己責任においてしっかり確認してください。
=>目論見書の見方はこちらを参考にして下さい
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