3階建て投資信託は一度で三度美味しいのではない
目次
3階建て投資信託とは2階建て投資信託を発展させたもの
投資信託では株や債券などに為替の収益を得られるようにした2階建て投資信託というのがあります。
1回の投資で2ヶ所からの収益が望めますから、
ハイリターンを期待できるものとしてとても人気が高いです。
<2階建て投資信託の例>
その後、
2階建て投資信託をさらに発展させたものとして、
3階建投資信託というものが登場しました。
2階建て投資信託に、
「カバードコール戦略」を組み合わせたものになります。
カバードコール戦略は「コール・オプション」という金融商品を使って利益を得るという運用をおこないます。
具体的な運用内容は、以下の投資信託を参考にして下さい。
<3階建て投資信託の例>
好配当グローバルreitプレミアム・ファンド 通貨セレクトコース
3階建て投資信託とは1度で3度美味しいのとはちょっと違う
2階建て投資信託というのは2ヶ所からの収益が期待できる、
一度で二度美味しい投資商品と言えます。
しかし、
3階建て投資信託は、
一度で3度美味しい投資でわけではないことに注意して下さい。
カバードコール戦略とは1階部分の投資対象に対して取る戦略です。
例えば、REITの値動きに連動するコール・オプションを行ったりする投資信託があります。
簡単にいうと荒い値動きであるREITの値動きを安定させるためにコール・オプションを使います。
大きく儲からない代わりに安定を求める為に使うのです。
要するに投資対象は、
「REIT」と「為替」の2つでしかないということです。
※もちろんREIT価格に連動するコール・オプションはREITとは別の金融商品ではありますが実質的にはREITという意味です。
※1階部分がREITの場合。
配当が高いものであることが重要な投資ポイント
REITや株には、
「値上がり益」と「配当」の2つの収益性質があります。
3階建て投資信託は、値動きを安定させるためにカバードコール戦略を取っていますが、
REITや株を保有しているので、しっかり配当が得られるようになっています。
3階建て投資信託に採用される1階部分の投資対象としては、
継続した高い配当が得られそうなREITや、
高配当銘柄に厳選した株などが採用されるのはそういった意図があると思います。
運用レポートには、
どのくらいの配当を得られる銘柄を組み入れているのか確認することができますのでチェックしてみてください。
配当がほとんど無かったら・・・・。
それはカバードコール戦略だけで稼いでいるということになりますが、
あなたはそれで納得できるかどうかです。
カバードコール戦略は不透明であることが多い
コール・オプションの運用がどのような状況であるのか?
うまくいっているのか?
ダメなのか?
言葉やグラフなどで示されることが多いですが、
その内容を開示していないことが多いのです。
ハッキリ言って不透明です。
まぁどんな投資信託でも開示できないことはあるものですが、
カバードコール戦略がどれだけ損益に貢献しているかどうかくらいは把握したいところです。
最近の3階建て投資信託では、カバー率や損益要因でしっかりと開示してくれているものもありますのでそういったもののほうが信頼度は高いと思います。
また運用レポートだけではイメージ出来ないことも多いですので、
投資対象の価格が動いた時に、投資信託の基準価額がどう動くかチェックすると良いと思います。
REITが上昇したのに、なぜかこの投資信託ではマイナスだったというのは、
3階建て投資信託では起こりえることです。
もちろんその反対もありますよ。
日々の値動きと投資信託の値動きの違いを自分で体感することによって、
本当に納得した運用をしてくれるのかわかると思います。
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