投資信託は本当の利回りで評価する毎月分配型ファンドは注意して
投資信託の過去実績のリターンで評価する利回り
この投資信託は、どのくらい儲かるものなのか?
過去の実績をもとに、
1年間でどのくらいリターンが得られたかを「年利=利回り」として評価します。
これをもとに銘柄を比較することによってその実力を感じ取ることができます。
※あくまでも過去の実績なのでこれからの伸びを知るすべはもちろん存在しません。
しかし、その実力を誤って評価してしまうことがありますので注意して下さい。
それが利回りというものです。
特に、毎月分配型の投資信託は注意が必要です。
「表面利回り」ではなく「本当の利回り」で評価する
投資信託には分配金というものが存在します。
分配金を利益として、利回りを計算したものを
「表面利回り」と表現しています。
例えばこちらの投資信託。
資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル
過去1年間、毎月100円の分配金を出しています。
2014/07/23時点の基準価額は、
4767円
分配金100円 X 12ヶ月 ÷ 4767円 = 約25.1%
1年間で+25%の利益がでる投資信託と思うと凄いですね。
※計算する基準価額を1年前にするとまた違った結果になります。
でもこの計算は、良くない評価の仕方です。
なぜなら、毎月分配型の投資信託では、分配金≠利益だからです。
利益が出ない時も元本を取り崩して、分配金とすることがあるのです。
=>毎月分配型の投資信託は「普通分配金」と「元本払戻金」がある
上記で問題となるのは、元本の損益を評価に入れていないことです。
いくら分配金をもらっても元本が減っていては、
増えているかどうかは分かりません。
そこで、元本の損益に分配金をプラスした本当の利益。
これを「本当の利回り」として評価するようにしています。
本当の利回りは、以下のように計算します。
現在の基準価額 - 1年前の基準価額 + 1年間の分配金 = 本当の利益
本当の利益 ÷ 1年前の基準価額 = 本当の利回り
例えば、先ほどの投資信託。
資源ファンド(株式と通貨)ブラジルレアル
1年前(2013/07/24)の基準価額: 4933円
現在(2014/07/23)の基準価額: 4767円
1年間の分配金: 1200円
4767円 - 4933円 + 1200円 = 1034円
1034 ÷ 4933円 = 20.96%
同じ投資信託ですが、
「表面利回り」 と 「本当の利回り」 では、
4%もの違いがあるのです。
分配金の額が大きければ大きいほど、
その差は大きくなる可能性があります。
「本当の利回り」で計算することが重要であることが分かっていただけたと思います。
毎月分配型では、一月に支払われる分配金は、
運営者が決めることになっているため、
分配金を大きく出すことで、表面利回りを大きく見せることができるという、
販売者側にとって都合のよいものなのです。
見せかけに騙されずに、
自分で計算して算出することを癖にするようにして下さい。
色々なサイトや雑誌でもリターンという表記がありますが、
それはどの時点の基準価額でどのように計算したのか分かりません。
全て基準を一緒にしないと比較評価出来ませんので、間違えないようにして下さい。
毎月分配型は、しっかりとした計算で出したリターンで評価すれば、
その実力もハッキリわかります。
見せかけの利回りで毛嫌いしているとしたらもったいないことです。
毎月分配型の投資信託の中には、
しっかりと利益を出しているとても良い銘柄も存在しますからね。(^_^)
本当の利回りを計算するのが面倒なので、
本当の利回りを自動計算するTOOLを作りました。
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