ETFとインデックス投資信託は信託報酬コストや資産規模で使い分け(2)
インデックスETFとインデックス投資信託は何が違うのか?
ETFFと投資信託では、上場しているか、上場していないかが違うことは理解出来たと思います。
しかし、それはどのような違いがあって、
投資の戦略でどう使い分けたらいいのかを理解しておく必要があります。
上場されているのでリアルタイムに売買取引が可能
上場されていない投資信託は、
一般的に15:00までに注文をおこない、その日に注文した人は全員同じ価格で購入することになります。
投資先によって、当日約定するものもあれば、3日後に約定するものなどがあります。
各約定日の終値で取引するようなものですね。
上場されているETFは、
取引所が開いている時間であれば、いつでもリアルタイムに売買することが可能となります。
指値注文なども出来ますから、
他人よりより安い価格で買うことが出来ます。
相場を始値と終値だけの値動きを見ているのと、
リアルタイムな相場では全く印象が異なります。
突発的な予測不可能な問題が発生した時、大きく値下がりすることはよく有ります。
これは、時間が経過するともとの価格に戻ってしまいます。
リアルタイムで取引出来るということは、
安く変えるチャンスが広がるということです。
ETFの方が購入単位がとても大きく買いづらいものがある
上場されていない投資信託は、
基本的に1万口単位=約1万円程度で購入可能です。
=>カブドットコム証券ならワンコイン500円積立も可能です。
資金が少ない若年層世代にとっては、
敷居がとても低く、投資信託を選ぶきっかけになることも多いのではないでしょうか。
しかしETFは、株式と同じで単元株数があります。
例えば、コチラのETF
上場インデックスファンドTOPIX
売買単位が100株となっていますので、
1株1278円 X 100株 = 127800円
※2014/07/22時点の株価
1回の取引で10万円以上も必要となるケースです。
ETFによっては、20万や30万からというのもよく見られます。
ちょっと敷居が高いですよね。
しかし最近は、安いものも一部有ります。
・ダイワ 上場投信-日経225
売買単位:1株
1株価格:15560円 ※2014/07/22時点
最低投資:15560円~
・TOPIX連動型上場投資信託
売買単位:10株
1株価格:1291円※2014/07/22時点
最低投資:12910円~
・上場インデックスファンド日経225(ミニ)
売買単位:1株
1株価格:1239円※2014/07/22時点
最低投資:1239円~
ここまでくれば、かなり安いですね。
ETFを小さい単位で買う方法はあります。
=>SBI証券では、単元未満の1株単位でETFを取引できました
ETFの売買手数料は株式と同じようにかかるので割高になることも
投資信託は、投資する額に応じたパーセンテージで手数料が決まることがほとんどです。
しかし、ETFの場合は株式と同じで、
売買する回数に応じて、手数料がかかります。
1日定額コースというのもありますね。
手数料というのは、コースや投資額に応じて定額で決まっています。
よって、投資額が大きければ、手数料の割合が低くなりコストを下げることが出来ますが、
投資額が小さければ、手数料の割合が高くなるのでコストが割高になってしまいます。
例えば、
上場インデックスファンド日経225(ミニ)を
1日で10株購入すると
1239円 X 10株 = 12390円
購入手数料は、ネット証券の10万円以下の一般的な取引手数料が150円(税込み)
150円 ÷ 12390円 = 約1.2%
しかし、
上場インデックスファンド日経225(ミニ)を
10日で10株購入するとなれば、
150円 X 10日 ÷ 12390円 = 約12%
購入時手数料が12%なんて投資信託があったら絶対買いませんよね。(^_^;
インデックス投資信託に限っては、ノーロードといって手数料がゼロの場合も多いです。
投資資金が少ない場合、事前に計算してから購入しないと後で後悔することになりますから、
注意してくださいね。
ETFではドルコスト平均法での自動積立ができない
上場されていない投資信託には、各証券会社で用意している自動での積立機能を使う事ができます。
しかし、株やETFにそのような機能はありません。
積立をしようと思ったら、
毎月、自分で取引しなければいけませんから買い忘れに注意する必要があるでしょう。
また、上場されていない投資信託では、金額指定で購入することが可能ですが、
ETFの購入は全て口数での注文のみとなります。
毎月一定額を積み立てして購入し続ける
「ドルコスト平均法」という手法が使えないというわけです。
購入単位の小さいETFならなるべく近い金額で口数を調整することは出来ますが、
とても面倒ですし、やはり投資効率やドルコスト平均法の効果は少なからず落ちてしまいます。
ETFはインデックス投資信託より信託報酬が低い
株は持っているだけで手数料はかかりませんが、
ETFも投資信託ですから、持っているだけで手数料はかかります。
インデックス投資をしたいと思う人は、
コストが最重要で、唯一自分で選択できる要素といえるでしょう。
上場されていないインデックス投資信託は、とても低いです。
<上場されていない日本株のインデックス投資信託>
ニッセイ 日経225インデックスファンド 0.30%
ダイワ 上場投信-日経225 0.24%
三菱UFJ トピックスオープン 0.65%
ドイチェ・日本株式F(トピックス連動型) 0.91%
しかし、
インデックスETFは、手数料がさらに低いことが特徴です。
日本株のETFなら、0.3%未満がほとんどです。
一番小さい0.1%の手数料は破格ですね!
<日本株のインデックスETF>
上場インデックスファンドTOPIX 0.10%
iシェアーズ日経225 0.18%
ダイワ上場投信-トピックス 0.18%
日経225連動型上場投資信託 0.24%
MAXIS トピックス・コア30上場投信 0.24%
ETFの分配金は自動で再投資できない
上場していないインデックス投資信託は、
「再投資型」であることがほとんどです。
決算で支払われる分配金は、
自動的に分配金で買い付けを行うことによって、再投資に回されます。
しかしETFでは自動で、
再投資する機能はありません。
再投資するためには、自分で買い付ければいいかと思うかもしれませんが、
分配金というのは投資金額に対して、ごく小さいものです。
最低投資額に満たなければ、再投資することは出来ないのです。
小さな分配金でも再投資できるインデックス投資信託は、
とても投資効率がよく複利を最大限活かす事ができますが、
ETFは分配金の再投資ができない点で、ちょっと投資効率が落ちるのかもしれません。
インデックスETFとインデックス投資信託の使い分け
上場していないインデックス投資信託の方は、
購入するハードルが低く、小さい資金を効率よく増やせます。
そして、購入時手数料は、取引回数に関係ありませんから下手な取引で失敗することもありません。
資金規模が小さい人向けといえると思います。
対して、
インデックスETFは、
購入する単位が大きいほど購入する手数料が割安になることと、
信託報酬が安いということから、
資金規模が大きい人向けと言えると思います。
最初は、上場されていないインデックス投資信託で投資を初めて、
ある時点で、ETFに鞍替え(くらがえ)するなんて運用が想定出来るかと思います。
それぞれのメリット、デメリットを活かして使い分けてみてくださいね!
★この記事を読んだ方はシェア/ブックマークで応援お願いします。
スポンサードリンク
お役立ち関連記事
ついでに読みたい
- 投資信託の口数が増えても意味が無い!基準価額も勘違いしないで
- 3階建て投資信託は一度で三度美味しいのではない
- 運用報告書の見方は簡単!記載事項で投資信託の実態を掴む(3)
- 月次運用レポートの見方をマスターして希望の投資信託を探せ(2)
- 投資信託を買う前に必ず運用報告書や運用レポートを見ましょう
- 投資信託は本当の利回りで評価する毎月分配型ファンドは注意して
- 投資信託の為替ヘッジあり/なし選択する方法と円安/円高の影響
- ETFとインデックス投資信託の違いを知れば海外投資が広がる(1)
- 通貨選択型/投資信託は為替取引を加えたWハイリスクハイリターン
- 毎月分配型の投資信託は人気だけど合理的でない?仕組みを理解する
投資信託の入門 メニュー投資信託の入門 メニュー