さわかみファンド【評価】直販投信の先駆け!長期投資で割安?
ファンドの運用会社が直接販売もすることでコスト低減を実現した直販ファンドのパイオニア。
澤上篤人氏が設立したその名も、さわかみファンド。
直販にも関わらず2014/09/23時点での純資産額は3050億円と大規模になっており、澤上氏のカリスマ性もあって人気の投資信託といえます。
私も過去に投資しておりプラスの収益で終えています。
2016/09/26 さわかみ投信が「欧米株」へ最大5%を投資と日経新聞の報道!
目次
さわかみファンドの運用内容を評価
日本株に投資するものです。
割安な株をバイ・アンド・ホールドで長期的に保有して運用しています。
ファンドとしての制限が緩く設定されており、外国株や債券など外貨建て資産への投資や投資信託への投資なども行えるように設計されています。
しかし、現状は日本の個別株式のみで運用しています。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 日本株 |
通貨 | 円、(外貨) |
決算 | 年1回8月 |
設定日 | 1999-08-24 |
運用種別 | アクティブファンド |
運用形態 | 直接運用 |
日本株のみを投資しているとてもシンプルな投資信託です。
設立者である澤上篤人氏はメディアなどでの露出が多くそのカリスマ性で資金を集めているファンドです。
日々の値動きや目先の成績にこだわらず長期に保有することで大きく増やすという長期投資のイメージを個人投資家に共有できたのが人気の理由だと思います。一般的な投資信託でファンドマネージャーの顔が見えることがありませんから安心感を与えています。
運用会社が直接販売することでコストを低くし、分配も行わないことで長期投資で複利の力を最大限活かせるような運用が明確に感じさせます。
※分配しないという制限があるわけではなく過去15年の分配実績がゼロという意味です。
澤上篤人氏は、投資家への講演や勉強会などで現在も活動していますが運用の第一線を引いており、息子の澤上龍氏が代表となり、草刈氏が最高投資責任者となっております。当初の考えや方針が反映しているとはいえ投資責任者の交代やその動向にはとても注意を払わないといけないと思います。
ずっと日本株のみの投資で円建てとなりますが、外貨投資もできるような設計になっています。
購入時手数料や運用コストを評価
項目 | 説明 |
---|---|
購入時手数料 | 0% |
実質の信託報酬 | 1.08% |
<評価・解説>
直販メリットを活かしてアクティブファンドで購入時手数料0円は素晴らしいと思います。
信託報酬も同じような投資信託に比べれば割安な方であると思います。
組み入れられている ポートフォリオの評価
<評価・解説>
現金比率が3.82%残っていますが、長期投資で割安なものを買うなら現金比率はもっと低いかとも思ったのですがこんなものかな?
基本的には東証一部のみの運用となっているようです。
長期投資で割安株を狙うならもっと新興市場を組み入れた方がいいと思うのですが安全牌というかあまりリスクをとらない運用をしているなという印象を持ちました。
銘柄数が70程度の投資信託もありますから、銘柄数が118というのはそれなりに分散している印象も持ちました。
純資産額の規模が大きいというのは運用に関係してくることかもしれませんが、あまり挑戦的な投資はしていない感触です。
それでも知名度が高く、世界的にも活躍している企業が多いので東証一部の中でも成長力に期待した銘柄選択をしているということかな?
ベンチマークと運用実績の比較を評価
この投資信託にはベンチマークがありません。
<評価・解説>
日本株へのシンプルな投資。しかも東証一部の大型株。
なぜベンチマークが無いとするのか?(^_^;
まぁ変にベンチマークと比較して目先の成績がダメだったときにそれを強調されたくないだけなのかもしれません。
ある意味戦略的なのかも。(^_^)
自分で勝手に指数と比較してみたいと思います。
以下は、東証一部全体を示すTOPIXとの比較をしてみました。
ここから分かるのは、リーマンショックでの大幅な下落時に安いものを上手く買っている?
ただ通常時は、TOPIXより多少よい運用をしているという程度かな。
運用としては無難な結果なのかなと思えるものです。
ただし、次に日経平均と比較してみます。
今は東証一部だけでも過去はどうか分かりませんしね。
あらら・・・。
TOPIXの比較ではリーマンショックの大幅な下げで買い向かったかとも思ったのですが、こうしてみると印象は全く違います。
アベノミクスが始まって日本株価が急上昇した2013年からのパフォーマンスが良くないのはちょっとショックです。
やはり東証一部に偏った買いで割安だった中型株が買えていないことによる結果なのではないでしょうか。
もしくは上昇トレンドに乗り遅れた?とも捉えることが出来ます。
リーマン・ショック前後の動きでリスク・リターンを実感してみる
過去に大きく上下したときの値動きを確認することでリスク・リターンの特性を実感してみたいと思います。
期間 | 損益率 |
---|---|
下落幅 (2008/01/04-2008/12/30) |
-39.6% |
上昇幅 (2009/01/05-2009/12/30) |
+24.6% |
<評価・解説>
長期投資をやっているとこういう大きな下落に出くわすということは認識しておかないといけません。
こういうのに耐えられるか、というか気にしないようにしましょうというのがさわかみファンドの方針ですが。
下げに対して上げ幅は少ないですね。
日本株はこの頃、円高デフレで苦しんでいましたから世界的にも出遅れ株と言われてはいました。
さわかみファンドの資金流入と資金流出
<評価・解説>
2013年以降、に流出が広がっているのがよく分かります。
アベノミクスで日本株が急上昇したときに資金が流出しているのですからちょっと異常です。
今まで頑張って保有してきた一部の人が、見放した?ともとれる動きです。
2013年だけで641億の流出です。全体の約20%。
まぁでも、2013年の後半に向け利益確定売りをする人が多かったとみても良いと思います。
いくら長期投資でも高値で売って利益を確保したいという投資家は居るということです。
今までの下落経験の反動もあるかもしれません。長期投資に賛同して参加はしたものの我慢するというのはなかなか難しいということのあらわれですね。
2014年はもう8ヶ月経過しましたが流出した資金が戻ってきていないことを考えると人気が下がったと言えそうです。
さわかみファンドへの評価と感想
購入時手数料、信託報酬が直販メリットを活かしてコストを抑えているのは、長期投資とい投資方針に沿ったものでありとても素晴らしいと思います。
ただし、長期投資で割安なものを大きく増やそうとしているにも関わらずあまり積極的な投資が見られないのはちょっと残念。
もっと成長力のある若い企業に投資してもいいのにと個人的には思います。
それなりの運用をしているとは思いますが、安全に無難にというのをヒシヒシと感じる。2013年の上昇についていけていないのは残念。
新興市場などへの高いリターンを期待する投資をしたい人は向いていないと思います。
実は私もさわかみファンドを保有していたのですが、2013年の1月に全て解約して別のものへ投資しております。
やはりパフォーマンスが良くなかったのが要因です。
さわかみファンドを買う人は、澤上氏のカリスマ的な運用に期待する面が大きいと思います。
運用責任者も変わりますから、運用方針に則した運用をやっているのかを常に自分で見極める必要があります。
長期で上がりそうな割安銘柄をしっかり選んでいそうなのか?そこが一番重要です。
決して澤上氏のイメージだけで投資しないように自分で見る目を持ってください。その上で自分にあったものだと思うなら投資しても良いと思います。
基本的には国内株の投資のみなのですが、外貨建て資産へも投資できるものに商品設計されているので大きな運用の変化が無いとは言えませんので定期的にチェックするようにしないといけません。
大きな運用変化があった時には、投資を継続すべきなのか判断が必要です。
今後、資産の最大5%を欧米株へ投資すると日経新聞の報道がありました。
外貨建て資産へも投資できるように設計されてはいましたが、ようやく運用が変わるときがきたようです。
とりあえず5%と比率は小さいものの、
為替リスクがありますしこれまでとは投資の性質が変わってきますので注意が必要です。
私は以前、日本株投信として利用していましたが、純粋な日本株投信でないとなるとちょっと使いづらいと思ってしまいます。
特に投資対象が複雑になるので投資タイミングを考えるのが難しいです。
さわかみ投信の長期投資手法を使って欧米株へ投資するということになりますが、その投資に賛同できるなら投資を継続すればいいと思います。
もちろん、日本市場と同様にうまくいくのかどうかは注意が必要です。レポートやセミナーなどでしっかり運用内容を確認しておきましょう。
いずれにしても運用が変更された当初は投信の値動きや運用状況はしっかりチェックして自分で判断するようにすべきだと思います。
さわかみファンドが購入できるネット証券
ネット証券では購入できません。
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