日本トレンドセレクトハイパーウェイブ【評価】スイッチングを活用
最初にマネープールファンドにも関わらず証券会社の買い付けランキング入りで気になったのが、
日本トレンド・セレクト マネーポートフォリオ。
これ自体は、ほとんどリターンを生まないものなので不思議に思ったのですが、
この投資信託は以下2つのファンドからのスイッチングで活用するものでした。
日本トレンド・セレクト ハイパー・ウェイブ。
日本トレンド・セレクト リバース・トレンド・オープン。
今回は、ハイパー・ウェイブを中心に評価したいと思います。
日本トレンドセレクトハイパーウェイブの運用内容を評価
「日本株の先物指数」と「国内の短期公社債」を投資対象とします。
先物取引によるレバレッジ効果を利用して日々の値動きが株式市場の2倍になるような運用をおこないます。
日本トレンド・セレクトシリーズにはマネーポートフォリオというマネープールファンドへスイッチングすることで退避することが可能。
日本トレンド・セレクトシリーズには日本株が下落すると利益が得られるリバース・トレンド・オープンが存在しこちらへのスイッチングも可能です。
尚、リバース・トレンド・オープンの値動きは1倍です。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 日経225先物、短期公社債 |
通貨 | 円 |
決算 | 年1回、1月の配当 |
設定日 | 1995-01-17 |
償還日 | 2020-01-14 |
運用種別 | アクティブファンド |
運用形態 | 直接運用 |
日本株の先物取引によるレバレッジ効果を利用したハイリターンを期待できる投資信託です。
先物取引といえば証拠金を用意する必要がありますし、大きく値下がりした場合、追証が発生して元本以上のマイナスが発生することもありえますが、これはありませんので投資信託で気軽にレバレッジ投資できるものとして役立つと思います。
3種類の投資信託をスイッチングできるようにしてあるのが特徴的です。
スイッチングは、通常の購入と比べて手数料が安いのでこの投資信託で何度も取引する人はお得な仕組みだと言えます。
短期公社債は、日本の投資信託の仕組み上必要なものとなっているもので基本的にはリスクの少ない短期公社債で資金の維持のみを目的とした運用をおこなっているものと思われます。
購入時手数料や運用コストを評価
項目 | 説明 |
---|---|
購入時手数料 | 2.16% |
実質の信託報酬 | 0.99% |
<評価・解説>
先物取引を利用したレバレッジ効果のある投資信託ではおおよそ平均的な手数料だと思います。
ただし何度も取引する人だったら、スイッチングの仕組みを活用することで手数料が安く済むわけですから、この投資信託の評価は高いです。
日本トレンドセレクトのスイッチングについて
最初に確認しておきたいことは、日本トレンド・セレクトシリーズには3つの投資信託が存在しているのですが、ハイパー・ウェイブ、 リバース・トレンド・オープン、マネーポートフォリオは、別々のものとして販売されているということです。
そして、マネーポートフォリオを最初に購入することはできません。
ハイパー・ウェイブ、 リバース・トレンド・オープンを購入した人がスイッチングするために用意されたものになっています。
マネーポートフォリオが証券会社の買い付けランキング入りしていたのは、ハイパー・ウェイブか、 リバース・トレンド・オープンを購入した人が退避目的でスイッチングしたことを示すものだったというわけです。スイッチングが有効活用されていることがよく分かります。
※スイッチングは、実質的に売却して買い付けし直すことと同じですので、売却時に利益は確定します。
ハイパーウェイブ ・・・ 日経平均が上昇するとプラスになる。下落するとマイナス。値動きは2倍。
リバーストレンドオープン ・・・ 日経平均が下落するとプラス。上昇するとマイナス。値動きは1倍。
マネーポートフォリオ ・・・ リスクがとても低い短期債券を運用。元本が保証されているわけではないですが資金の維持を目的としている。
※マネーポートフォリオの1年リターン+0.03% ※2014/11/14
投資信託を購入する際には、手数料が発生するのですがスイッチングの場合、手数料が安く済むようになっています。マネーポートフォリオのスイッチングは無料となっています。
<(参考)スイッチング手数料>
※マネックス証券の場合 2014/11/14時点
ハイパーウェイブ、リバーストレンド => マネーポートフォリオ 手数料無料
ハイパーウェイブ、マネーポートフォリオ => リバーストレンド 手数料:0.216%
リバーストレンド、マネーポートフォリオ => ハイパーウェイブ 手数料:0.216%
ハイパーウェイブは、2倍の値動きとはいえあくまでも日々の値動きが2倍となるだけで、長期でみると市場全体が2倍になっても2倍にはならない状況が起こりえます。
これは、下落した場合にも2倍の値動きをするため上下を繰り返すことが影響します。また、上昇しっぱなしの場合は、2倍以上の上昇になる可能性もあります。
レバレッジを効かせた投資は、短中期の売買で値上がり益を狙う戦略の人が使うと有効なものだと私は思っています。売買を繰り返すことになりますが、購入するたびに高い手数料を払っていては目減りの要因になりますのでとても投資効率が悪くなってしまいます。
マネープールファンドからのスイッチングで手数料を安く済ませることができる仕組みはこの問題を解決したものとしてとても便利なものだと思います。
組み入れられている ポートフォリオの評価
<評価・解説>
短期公社債が日本の投資信託のルール上必要なので保持しているものになります。
参考に公社債銘柄を掲載しましたが、償還期限が数ヶ月程度のとても短期な債券で運用しています。
基本的には資産価格の維持が目的でリスクのとても少ない運用をしていることが分かります。
「現金その他」とありますが、こちらを証拠金として先物取引をしていることになります。基本的に退避資金があるわけではありません。
2倍程度の値動きならば先物比率が200%となるのですが、上記時点では、192%となっております。
この時は日銀の追加緩和があり1日で800円近く上昇した日ですね。
確認したところ株価が大きく上昇し取引が成立しなかったなどの状況が考えられるようです。
相場が大きく動く時はキッチリ200%を維持することは難しいことのようですね。
過去の月次レポートを確認すると192%~203%と変動があるようですが、基本的には200%に近づける運用がなされております。
でもどうせなら200%を超える状況で維持した方がいいのにと思いました。
一応、2倍の値動きに対応した他の日本株投資信託とも比較しておくことをおすすめします。
ベンチマークと運用実績の比較を評価
この投資信託にはベンチマークがありません。
<評価・解説>
同じような投資信託と比較して評価するようにして下さい。
レバレッジの倍率にも色々なものがありますから、似たような日本株投資信託との比較をしてみるとよいです。
リーマン・ショック前後の動きでリスク・リターンを実感してみる
過去に大きく上下したときの値動きを確認することでリスク・リターンの特性を実感してみたいと思います。
期間 | 損益率 |
---|---|
下落幅 (2008/01/04-2008/12/30) |
-70.9% |
上昇幅 (2009/01/05-2009/12/30) |
+29.4% |
※計算方法は、配当の再投資なしで本当の利回りによる計算とします。
<評価・解説>
さすが2倍の値動きをするだけあって-70%の下落幅は凄いですね。
とてもハイリスクであることがわかります。
リーマン・ショック後、日本株は円高、デフレで株価戻りが少なかったですから上昇幅が小さいのはしょうがないところ。
長期保有を目的としたものではないことが上記からも感じ取れるのではないでしょうか。
日本トレンドセレクトハイパーウェイブへの資金流入と資金流出
<評価・解説>
資金流入が変則的でまばらであることが分かります。
株価が下げた時に資金が多く流入し、株価が大きく上昇したころには資金が流出しています。
相場に応じて短期的な値上がりを狙った売買が垣間見える資金流出入の状況だと思います。
日本トレンドセレクトハイパーウェイブへの評価と感想
2倍のレバレッジを効かせた日本株のハイリターン投資が気軽に出来るものとして役に立つと思います。
大きく上昇するときや暴落からの反発タイミングなどで短期的に大きく上昇するような局面で有効ですから、短中期で投資のタイミングを狙った投資が出来る人のみが投資しても良いものだと思います。
また、ハイリターンはハイリスクの裏返しです。
相場が下げてしまった場合、元の位置まで戻るのは難しくなりますから長期投資には向いていませんので注意して下さい。
最近では3倍のレバレッジを効かせた投資信託もありますが、まずは2倍から始めて段階を踏むことは大きな失敗を防ぐのに有効だと思います。
レバレッジを効かせた日本株投資が出来る投資信託の中でもマネープールファンドで資産を退避できるスイッチングの仕組みは、投資信託の使い方とマッチしていて素晴らしいです。
短中期で売買をする人にとって投資信託の購入時手数料は資産を目減りさせる問題点です。投資信託の性質上、購入時手数料がノーロードとなるものは見当たらなくしょうがないところもあります。
しかし、売買を繰り返すことによる余計な資産な目減りを極力減らすことが出来る仕組みは画期的なものだと思います。
日本トレンドセレクトハイパーウェイブが購入できるネット証券
なるべく安い手数料の証券会社を選んで取引することをおすすめします。
購入時手数料(税込) | 販売会社 |
---|---|
1.08~0% | 楽天証券 |
2.16% | マネックス証券 |
2.16% | カブドットコム証券 |
※2014/11/14時点
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