結い2101/鎌倉投信【評価】お金儲けじゃない心の満足感
個性的な投資内容で人気を集める直販ファンドである鎌倉投信が出しているのが、
結い2101(ゆい ニーイチゼロイチ)です。
運用歴は4年経過と浅いものの2014/09/24時点で111億円と人気急上昇中の投資信託です。
投資家への販売に苦労する直販ファンドですから注目度の高さを物語る資金流入です。
目次
結い2101/鎌倉投信の運用内容を評価
日本株式を中心に投資をします。一部、債券へも投資する場合があります。
外国株や債券など外貨建ての資産へも投資可能な設計となっております。
外貨建て資産へ投資する場合は、為替ヘッジは行いません。
株式への投資比率を50%超えを維持することを基本としています。
株式以外の投資比率は50%以下と制限されています。
外貨建て資産の比率は50%以下と制限されています。
現状は、国内の株式と債券のみで運用されています。
長い時間軸の中でゆっくりとした資産形成を目指しており平均4%程度の資産増を目標としています。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 日本株、公社債 |
通貨 | 円 |
決算 | 年1回7月 |
設定日 | 2010-03-29 |
運用種別 | アクティブ |
運用形態 | 直接運用 |
<評価・解説>
鎌倉投信という名前からイメージできると思うのですが、和や伝統、匠の技術などを意識した会社への投資をおこなっているところが個性的なポイント。
単なる成長企業による儲けを追求しているのではなく、本当に社会として必要な価値ある会社を支えるというところが重要でその投資姿勢が人気の秘密と言えます。
単にお金が増えて儲かればいいという投資ではなく、社会を自分たちで支えて創るという「心の満足感」に共感している人が多いのだと思われます。
のところ基本的に日本株へ投資するものですが、一部、債券にも投資しているのですがバランスファンドのような資産配分を考慮してのものではなく、投資したい会社を主体として社債などで投資を行うことがあるようです。商品分類で株式としているのに少ないとはいえ債券への投資はちょっと微妙には感じます。投資したい会社ならどんな会社でも投資するという気概は感じなくもないです。
株式の投資割合が50%超を基本としているところは、ポートフォリオの評価のところをみるとわかりますが、全力投資しないという意志を感じるところです。これは私の勝手な意見ですが、投資したい会社が無ければ投資しないという印象を受けました。
長期投資の場合、分配金を出さないことが多いですが、この投資信託では2013年に分配金を出しています。大きく上昇した年は、分配金を出して還元するようですね。投資を実感してもらうための配慮なのかな?
名前の由来ですが、2101は22世紀をイメージしたもので価値あるものを後世に残すという意志を感じるものです。
購入時手数料や運用コストを評価
項目 | 説明 |
---|---|
購入時手数料 | 0% |
実質の信託報酬 | 1.09% |
<評価・解説>
直販ファンドのメリットを活かして購入時手数料0円なのはとても素晴らしいと思います。
信託報酬も同じような日本株の投資信託に比べたら割安な方であると思います。
さわかみファンドとほぼ同等ですね。
組み入れられている ポートフォリオの評価
<評価・解説>
確認して驚いたのが、現金(キャッシュ)比率が高いということ。
通常、最大限投資して資金効率を高めることが重要とされている投資信託が多い中、投資をしないで現金を遊ばせているというのはとても驚きです。
現金比率を高くする投資信託では、ひふみプラスなどがあります。下落相場ではリスク回避のために現金比率を高めるというのがその趣旨ですが、現在下落相場ではありませんからリスク回避をおこなっているとは思えません。
現在、投資したい会社の株が割高である、もしくは単純に投資したい会社が無いのどちらかとなるはずです。
個人的には買っても儲からなければ意味がありませんので、買わないという選択肢も投資判断の一つであると思います。この現金比率の高さは、今までの投資信託とはまるで違う姿勢であり共感されている一因となているはずです。
投資したくないものが無ければ投資しないのですから、短期間で沢山増やすということは無理ですね。ゆっくりと平均4%の資産増を目指しているとしている理由がわかった気がします。
東証一部、二部の会社がほとんどを占めるにも関わらず小型株(時価総額1000億円未満)が中心であるのは特徴的かもしれません。
価値がある会社であっても既に大きくなった会社の成長余力より、小さい会社の方が成長余力が大きいわけですから将来に期待した投資を実践しているといえるでしょう。
新興市場や非上場の株式にまで投資していますから、価値ある会社ならどこでも投資するという意気込みを感じ取れます。債券の投資もそういうことでしょう。
業種に偏りがなくバランスよく色々な分野を応援しようという意志を感じます。
組み入れ会社数は48社と少なめですが、より厳選して投資対象を絞っていると思わせる数です。
伝統や技術というとモノづくりをイメージしてしまうのですが、新規で投資した会社をみると若手IT企業への投資もあり偏りの無さを感じるところです。
ベンチマークと運用実績の比較を評価
この投資信託にはベンチマークがありません。
<評価・解説>
単に成績が良ければいいというものではない投資信託ですから、成績にこだわらないということが重要なのかもしれないと思いました。
一応、パフォーマンスがどのくらいのものかチェックしてみたいと思います。
以下は、日経平均と比較したものです。
現金比率が高いということが影響していると思うのですが、上下の振れ幅が小さいということが感じられます。リスクが低いということですね。
平均4%でゆっくりとした資産形成ということではありますが、ここ最近は日本株が好調なのを受けて10%に迫る上昇をみせています。
とはいえリスクが低い分、リターンは低くなるわけですので日本株の投資信託としてはパフォーマンスが見劣りするのは確かです。
価値ある会社で長期に投資するわけですから、どこかで化ける可能性はもちろんありますので今後次第なところもあります。
リーマン・ショック前後の動きでリスク・リターンを実感してみる
過去に大きく上下したときの値動きを確認することでリスク・リターンの特性を実感してみたいと思います。
期間 | 損益率 |
---|---|
下落幅 (2008/01/04-2008/12/30) |
未運用 |
上昇幅 (2009/01/05-2009/12/30) |
未運用 |
<評価・解説>
2010年からの運用なので評価出来ず。
上下の大きかった期間の動きでリスク・リターンを実感してみる
<評価・解説>
大きな下落がないので評価はやめておきます。
結い2101/鎌倉投信の資金流入と資金流出
<評価・解説>
資金流入がだんだん増えていっているのが分かります。根強い人気の証拠でしょう。
定期購入する人が多いのかと思ったら、月によって流入額がバラけているのはとても印象的。
憶測ですが、地方公演や勉強会などでスポット購入する個人投資家を集めているのかな?と思いました。
そしてこの投資信託、最大の特徴が資金流出が全くと言っていいほど無いこと。これは相当な衝撃です。普通じゃありえません。
これに投資している人たちは本当に目先の儲けは気にしていないのだなということを感じるものです。
結い2101/鎌倉投信への評価と感想
投資して社会を支えているという嬉しさを提供する新しい投資の形を実現したものです。
儲けだけを重視したお金の運用ではないというのを随所に感じられる個性的な投資信託だと思いました。
お金儲けではなく心の充実感を得たい人向きの投資信託だと思います。
逆に言えば、儲け重視でとにかく資産を効率よく増やしたいという人には不向きだと思います。
やはり一番のウィークポイントは、資金効率が悪いところです。もちろん、これは信念に基づく意味があるものなので捉え方は人それぞれです。
でも、価値ある会社を厳選して投資しているわけですので今後、大化けしないとも限りませんので長期投資と思えばそういった楽しみはあります。
購入時手数料が0円で信託報酬も割安なのは素晴らしいと思います。
個性的な付加価値のプラスは、コストに変えられないところがありますから、投資方針に賛同できる人であればより安いと感じられるかもしれません。
とにかく資金流出が無いということが一番衝撃でした。それだけ付加価値の魅力が高いということでしょう。
投資の考えも変わってきたなぁ~と感じます。
外貨建て資産への投資も可能となっていますので定期的にチェックして大きな運用変更があったときには投資を継続すべきなのかどうか判断が必要です。
結い2101/鎌倉投信が購入できるネット証券
ネット証券では購入できません。
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