投資信託の為替ヘッジあり/なし選択する方法と円安/円高の影響
海外への投資は必ず為替の影響を受けます
投資信託に限らず海外の投資証券を購入するということは、
必ず、通貨である 「円」 を 「米ドル」 に両替して取引しています。
※米国以外の投資では、米ドルからさらに両替されます。
米ドルで買ったものは、
ドル円の為替動向によって常にその評価額が変わることを意味します。
為替動向は、リアルタイムで上下に動いており、
各国の情勢により相対的に決まります。
以下は、過去14年のドル円為替チャートです。
例えば、
1ドル = 100円
の時に米国株の投資証券を100万円購入したとします。
その後為替が、
1ドル = 103円
に変動しました。
購入した時点からみると、3円の円安です。
米国株の投資証券の損益がゼロとした場合、
この時点で103万円の価値に値上がりすることになります。
+3万円の利益ですね。
投資に不慣れな初心者は、円安なのに値上がりするの?ということを混乱しがちですので整理します。
円安というのは、反対の言い方をするとドル高とも言えます。
ドルの価値が上がったので、ドルで購入したものの価値も上がるわけです。
逆に為替が、
1ドル = 97円
に変動した場合はどうなるでしょうか?
購入した時点からみると、3円の円高です。
米国株の投資証券の損益がゼロとした場合、
この時点で97万円の価値に値下がりすることになります。
-3万円の損失です。
円高というのは、反対の言い方をするとドル安ということです。
ドルの価値が下がったので、ドルで購入した物の価値は下がります。
海外への投資をする場合、
「投資証券の値動き」 と 「為替の値動き」 の両方によって価値が変動するということを知っておきましょう。
投資信託によっては為替ヘッジあり/なしが選択出来るものがある
ドルで購入した投資証券は、
ドル円の為替動向により価値が上下することが理解出来たと思います。
通常、
為替動向の影響を受ける投資証券は、
為替ヘッジなし。
というものになります。
逆に、
為替の影響を受けなくする運用を
為替ヘッジあり。
と言います。
例えば以下の投資信託は、
為替ヘッジあり/なしの2種類が存在しており、
購入するときに、AコースとBコースでどちらかを選べるようになっています。
・フィデリティUSリートファンドA(為替ヘッジあり)
投資損益 = 米国リートの値動き
・フィデリティUSリートファンドB(為替ヘッジなし)
投資損益 = 米国リートの値動き + 為替の値動き
ちなみにこの投資信託は、
AとBのコース変更であるスイッチングが可能となっているようです。
※スイッチング可能かどうかは、証券会社によります。
※銘柄によってはスイッチング出来ないものも存在します。
為替ヘッジとは、円高による下落を回避する特殊な運用です。
逆にいうと、円安になっても為替によるプラス利益を得られないことも意味します。
以下のような通貨選択型の円コースや
円建て、円の表示があるものも同じく為替ヘッジありの意味でネーミングされている銘柄があります。
野村 米国ハイ・イールド債券(円)毎月
米国ハイイールド債券ファンド円コース
東京海上・円建て投資適格債券F(毎月) 『愛称:円債くん』
為替ヘッジあり/なしを上手く使い分ける
例えば、
米国株へ投資したら+5%の利益が出たけど、
為替が-10%円高に動いたとします。
この場合の損益は、
-5%となります。
せっかく、米国株は上昇したのに儲からなかったどころかマイナスです。
要するに米国株は上がると思うけど、
円高になりそうだというときは、
為替ヘッジありが良いということになるのです。
これから円安になると思うのであれば、
為替ヘッジなしを選んで、
「米国株の値上がり益 」と 「円安による値上がり益」の両方を期待することができるのです。
どちらが良いか?
ではなくて相場に応じて選択する方法が賢いやり方だといえます。
もちろんずっと為替ヘッジありでいいという人はいるかもしれません。
為替動向なんてチェックしたくないし、読めない。
長期投資でほったらかしにしたい。
そう思うのであれば、それもひとつの選択肢です。
とはいえ、為替というのは海外投資の醍醐味でもあります。
世界分散の観点で、通貨分散にもなりますので、
資産運用をする上でトータルに物事を判断できるようになってくださいね。
ちなみに前述したドル円のチャート。
たった14年だけで135円~76円の落差があります。その差、-43%の値幅。
為替というのはこれだけのリスクもあれば、チャンスもあるのです。
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