フィデリティusハイイールドファンド【評価】株式の組入に注意
フィデリティ・usハイ・イールド・ファンドは、2014/08/07時点で純資産額が1兆3千億円にものぼり、
日本国内の投資信託で随一の人気を誇る投資信託です。
モーニングスターのランキングは、アクティブファンドの中で第1位の規模となっております。
私独自の視点で分析/評価してみたいと思います。
目次
フィデリティusハイイールドファンドの運用内容を評価
米ドル建てで取引される、高利回り債券に投資するものです。
格付けがBb格以下のものを積極的に取り入れることにより、高利回りの利息と債券の値上がり益を目指した投資をします。
投資先の企業を分析した上で売り買いの判断を人間がおこなうアクティブファンドです。
米ドル建てでの取引なので為替による影響を受けます。円安になれば収益の上昇が期待できます。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | 米国の高利回り事業債※米国以外の国の発行体も組み入れることを許可
※株式の組み入れ最大20%許可 |
通貨 | 米ドル |
為替ヘッジ | なし |
決算 | 毎月22日付近、年合計12回の配当 |
設定日 | 1998-04-01 |
運用種別 | アクティブファンド |
運用形態 | ファミリーファンド方式 |
人気の理由は、ズバリ高利回りであるということです。格付けが低いものにあえて投資することにより高いリターンを望むことが期待出来ます。
もちろん、これはハイリスクの裏返しであることには注意して下さい。債券価格は大きく値下がりするかもしれませんし、円高により大きなマイナスとなる可能性があります。
格付けにはC級以下のとても信用が低いものが含まれます。実物の債券でこのような低い格付けに投資することは無謀なのですが、多くの銘柄に分散させることにより破綻リスクを低減していることを実現しており、投資信託ならではのメリットを活かした商品だと思います。
購入時手数料や運用コストを評価
項目 | 説明 |
---|---|
購入時手数料 | 0%~3.24% |
実質の信託報酬 | 1.81% |
<評価・解説>
購入時に最大3.24%の手数料が引かれます。
しかし、ネット証券などではさらに安い手数料で購入できますのでなるべく安いところで購入しましょう。
信託報酬がちょっと高めなのは気になります。
同じカテゴリでは他にも信託報酬が同程度以下のものもありますから、リターンや運用内容と比較した上でそれでもよければ選択の余地はあると思います。
組み入れられている ポートフォリオの評価
※2014/06/30時点
<評価・解説>
格付別組入状況の円グラフを見ると、CCC級以下のかなり低い格付けが15%程度組み入れられている事がわかります。
しっかりリスクを取って運用しているなという印象。
債券の利回りは約6%程度。2014/08/07時点の過去1年リターンが+11.7%ですから、債券の値上がりが大きいことが分かります。
債券を投資する場合は、修正デュレーションに注目してみてください。金利などの状況によって、債券価格がどれだけ値動きがし易いかを表しています。
期間が長いほど、値動き幅が大きいハイリスクハイリターンの特性を持つことになります。
他のハイイールド債券の投資信託とくらべて、比較的デュレーション期間を少しだけ抑えている印象はあります。
債券の投資なのに、株式が組み入れられている点は気になります。ちょっと違和感あります。目論見書によると純資産総額の20%まで組み入れを許可しているようです。
ベンチマークと運用実績の比較を評価
<評価・解説>
リーマン・ショック後の大暴落を経た後、ベンチマークよりはパフォーマンスが劣っていることが分かりますね。
米国の金融緩和による金利の動きが大きく影響しているものと推察されます。資金が流入されるタイミングなども関係しているでしょう。
納得できなければ、他の投資信託やベンチマークに連動する投資信託を探してみるとよいでしょう。
個人的には、ベンチマークより劣っていても必ずしもダメな投資信託とは判断しません。選択肢や運用内容をもとに総合的に判断しましょう。
リーマン・ショック前後の動きでリスク・リターンを実感してみる
過去に大きく上下したときの値動きを確認することでリスク・リターンの特性を実感してみたいと思います。
期間 | 損益率 |
---|---|
下落幅 (2008/01/04-2008/12/30) |
-33.9% |
上昇幅 (2009/01/05-2009/12/30) |
+42.4% |
※計算方法は、配当の再投資なしで本当の利回りによる計算とします。
<評価・解説>
1年で30%~40%の値幅がありますね。
大きく儲けられますが、大暴落時にはそれだけのリスクがあることを実感しておくといいと思います。
なかなか+40%もの上昇収益を得ることができるタイミングで購入するのは難しいですが、信託報酬を大きく上回る成績が期待できることは確認出来たと思います。
フィデリティusハイイールドファンドへの資金流入と資金流出
<評価・解説>
欧州危機などの問題で資金が流出する時期も有りましたが、
2013年からの伸びが凄いですね。2013年といえば、日銀の金融緩和により円安に大きく動きはじめた年です。
この円安による収益上昇を狙った人が多いのだと思います。
2013/01から2014/06までで8800億円の流入。たったこの1年半で倍増するほどの資金が集まったことがよく分かります。
フィデリティusハイイールドファンドへの評価と感想
ローリスクローリターンになりがちな債券ですが、低格付けの組み入れ率を多くすることでリターンが魅力的な水準に仕上げています。
高い利息収益と債券の値上がり益を兼ね備えて高い収益構造になっている投資信託といえます。
米国の金利動向や円安の流れを見通した上での投資商品として魅力的な投資商品と言えます。
相場の見通しが悪ければ価格が下落しますので、相場の流れと買いタイミングに注意して購入する必要があります。高い利息といっても利息だけで全てのリスクを解消できるほどのものではありませんのでタイミングはとても重要です。
値動きの違う株式を組み入れている点は、個人的に良くない点。現在は比率がごくわずかなので気になりませんが要注意事項です。
毎月分配型が嫌な人は、決算を年1回とした「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(資産成長型)」も存在していますのでチェックしておくとよいです。
注意したいのはやはり信託報酬です。ちょっと高めなので他の銘柄と比較してから吟味する必要はあります。
また、人気が集中している投資信託だけに資金の急激な動きは運用に悪影響を与えかねないので動向には注意した方がいいです。
フィデリティusハイイールドファンドが購入できるネット証券
なるべく安い手数料の証券会社を選んで取引することをおすすめします。
購入時手数料(税込) | 販売会社 |
---|---|
無料 | スルガ銀行 |
1.782% <=キャンペーンで無料! | フィデリティ証券 |
2.16% | SBI証券 |
2.16% | 楽天証券 |
※2014/08/07時点
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