IPOの目論見書とは?閲覧時に必ずチェックする9ポイント
目次
IPOの目論見書とは?
IPO(新規上場株式)の需要申告(ブックビルディング)もしくは、購入申し込みする投資家に対して交付されるものです。
ネット証券などでは申し込み画面に必ず掲載されています。
以下は、マネックス証券の需要申告を申し込む画面の場合です。
目論見書はpdfファイルで作成されていますのでクリックするとブラウザ上で閲覧することが出来るようになっています。
必ず確認してからでないと申し込み出来ない仕組みになっています。
※PDFを閲覧するには、adbe社のacrobatReaderが必要です。
※ネット証券などでは事前に電子交付に同意しておく必要があります。
この目論見書は公募、売出しに関する内容の説明や、企業の概要などが書かれたもので、
投資をする際の判断材料となるとても重要な資料になります。
目論見書はポイントをおさえて短時間でサクッと確認する
目論見書は、100~200ページにも及ぶ、大量のページ数となっていますし、専門的な用語などもありますので、
全ての文章に目を通すことはハッキリ言って無理です。
もちろん必要に応じて細かく読み込むことは良いことですが、
IPO投資は、そもそも抽選で当たらなければ投資できないので、
そんなものに時間を使い過ぎるのは無駄な労力を使うことになってしまうので効率を意識したほうが良いです。
IPO投資する人の中には、ほとんど読まないで申し込む人がいるかもしれませんが、
慣れると全く難しいものではありませんので、内容を把握したうえで申し込むことをおすすめします。
需要申告に申し込んで当選した後に、
購入申し込み段階で辞退すればいいと考えている人も居ますが、証券会社でペナルティが発生する可能性があるので、むやみやたらに需要申告してしまうということは避けたほうがよいことを認識しておくとよいです。
目論見書の全体構成は3つ
目論見書は全てのIPOにおいて同じ形式で作成されていますので、
見方を覚えればとても簡単に読むことが出来ます。
目論見書の構成を大雑把に説明すると以下のように3つの文書がつながっています。
(1) 訂正事項(※訂正がある場合)
(2) 会社の概況(※多くの場合カラー表示)
(3) 目論見書の目次+本編
※証券会社によってはそれぞれの資料がファイル分割されています。
訂正事項は訂正があったときのみ目論見書の先頭に掲載されます。
購入申し込みまでに何度も訂正が入ることもありますので重要な部分の訂正があった場合は確認するようにしてください。
会社の概要はカラー表示になっていることが多く、
パンフレットや会社説明資料などで使われるようなもので一般の人でも見やすくなっていると思います。
3つめが目論見書の本編となっており、
目次から始まり、第一から第四部の構成となっています。
目論見書をチェックするポイントは9つ
目論見書をチェックするポイントは人によって様々だと思いますが、
私がいつも最低限、チェックしているところを紹介したいと思います。
注目するポイントは以下の9つです。
(1) どんな事業をしている会社なのかを確認
(2) IPOの対象となる株式の数量を確認
(3) 売出しする場合、誰が多くの株式を売却するのかを確認
(4) 想定発行価格もしくは想定売り出し価格を確認
(5) 共同主幹事を確認する
(6) 新規発行分で資金調達したお金を何に使うか確認
(7) 公募、売り出し前に株主となっている人は誰かを確認する
(8) ロックアップの期間や条件を確認する
(9) 直近の決算状況を確認
9つもあって面倒だなと思うかもしれませんが、
見慣れると短時間で終わりますし、数字などの内容も規模感の確認とか必要に応じてざっくりイメージできるようになればいいだけです。
やり方によっては優先順位を決めて、
投資を決断するうえで一番重要な項目からチェックしていけば途中で省略することも可能だと思います。
各ポイントの詳細な見方はこちらで解説しています。
目論見書を第三者へ配布しないように気をつけよう
IPOの一部で海外募集などを伴う場合は閲覧制限がかけられます。
その場合、ネット証券では目論見書を閲覧する際に必ず同意する警告メッセージが出ます。
以下は、カブドットコム証券で目論見書をクリックしたときの画面です。
上記の場合、米国、カナダに向けて送付したりすることを禁止する旨が書いてありますが、
第三者へ配布、譲渡すること自体を禁止しています。
不注意などによる流出を防ぐためだと思いますが、国内であっても他人に渡すなということでしょう。
このような同意メッセージが出るのは一部の制限がある銘柄のみでほとんどは出ませんが、
表示された場合は注意しなければいけないことを認識しておいてください。
うっかりでは済まないと思いますので文書の管理は細心の注意をはらっておきましょう。
このような警告が出た場合は、PDFファイルをPC内に保存しないようにするとうっかりを防げると思います。
※次ページで目論見書で私が注目するポイントを紹介しています。
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