J-REITリサーチオープン毎月決算型【評価】成績良いがコスト高い
J-REITの投資信託の中では一番資金を集めている、
J-REITリサーチオープン(毎月決算型)は、2014/08/22時点で純資産額が3249億円。
その人気の秘密を分析してみたいと思います。
J-REITリサーチオープン(毎月決算型)の運用内容を評価
日本の市場に上場されている不動産投資信託(J-REIT)へ投資するものです。
J-REITからの安定した配当と中長期的に値上がり益が得られるような銘柄調査や市場分析をおこないます。
不動産研究に特化した三井住友トラスト基礎研究所からの投資助言を受けて運用します。
毎月決算をおこない、分配金を出します。
項目 | 説明 |
---|---|
投資対象 | J-REIT |
通貨 | 円 |
決算 | 毎月17日付近、年12回 |
設定日 | 2005-01-17 |
運用種別 | アクティブファンド |
運用形態 | ファミリーファンド方式 |
投資内容は、J-REITのみなのでとてもシンプルです。
三井住友トラスト研究所からの投資助言を受けているというのは特徴でしょうか。とはいえ、アクティブファンドの運用内容については実績などにより評価するしかありませんね。
毎月分配型であるのは、この投資信託が人気となっている理由の一つであると思います。同じ投資信託で、決算が年2回のものがラインナップされていますが、2014/08/22時点では約100億程度の純資産額となっております。
分配金は、収益だけでなく元本を取り崩して払い出す場合もありますから勘違いしないようにして下さい。
=>毎月分配型は「普通分配金」と「元本払戻金」がある
購入時手数料や運用コストを評価
項目 | 説明 |
---|---|
購入時手数料 | 2.7% |
実質の信託報酬 | 1.08% |
<評価・解説>
手数料が安いネット証券でも購入時手数料が2.7%とかなり高いです。
信託報酬に関しても日本株投信なんかに比べたら低い気がするかもしれませんが、J-REIT投資信託の中では高めです。
高手数料でこれほど売れているのですから、よほど実績を出していてリターンがコストを大きく上回る状況なのかなと思わせる強気の販売ですね。
よほどお気に入りで無ければ、投資初心者にとっては敷居が高いと思いますので、他の投資信託も必ず比較して見比べると良いと思います。
組み入れられている ポートフォリオの評価
<評価・解説>
総合型が半分以上を占めています。総合型は、投資する不動産の種類を限定せずに様々な不動産へ投資するのでリスクが軽減される形態と言われるものです。ちなみに特化型の方がリターンは高くなると言われております。
特にJ-REITの分散を意識した銘柄選定をしていると言えそうです。
配当利回りについては、市場平均が2014/06時点で3.474%ですからほぼ平均と同じ程度といえます。
ベンチマークと運用実績の比較を評価
<評価・解説>
リーマンショック以降、ベンチマークを上回る運用ができているのが見て取れます。素晴らしいですね。
コストが高いにもかかわらず売れている理由はここにあるかもしれません。
リーマン・ショック前後の動きでリスク・リターンを実感してみる
過去に大きく上下したときの値動きを確認することでリスク・リターンの特性を実感してみたいと思います。
期間 | 損益率 |
---|---|
下落幅 (2008/01/04-2008/12/30) |
-41.3% |
上昇幅 (2009/01/05-2009/12/30) |
+4.1% |
※計算方法は、配当の再投資なしで本当の利回りによる計算とします。
<評価・解説>
-40%超える大きな下落が確認できます。J-REITは値動きが大きいので注意が必要ですね。
下げが大きかったにもかかわらず、反発による上げがとても小さいです。
日本は、円高デフレで苦しんでいた時期でもありますからこの時固有の事情によるものかもしれません。
J-REITリサーチオープン(毎月決算型)への資金流入と資金流出
<評価・解説>
2014年の4月、5月の流出が凄いですね。約-450億円。丁度、J-REITが急落した時です。2013年以降はアベノミクスで大きく上昇しましたから、利益確定する人が多かったと思われます。
購入時手数料が高い分、中長期で持つことがコスト低減につながります。しかし何が何でも中長期で保有するぞと決め込むのもいかがなものかと思います。時には思い切った売却も必要ですね。そんな人の行動が見てとれます。
しかし、それ以外は目立った流出はありません。根強い人気があることがわかります。
J-REITリサーチオープン(毎月決算型)への評価と感想
ベンチマークを上回る高成績は、コストが高いにもかかわらず売れているという人気の高さを物語っていると思いました。
しかし成績が良いからといってもコストを上回る上昇が無ければ意味がありません。
現状のパフォーマンスではコストを上回る上昇が見られるものの、魅力は薄いと言えそうです。
購入した時点で数%のアドバンテージを考えると投資初心者にはちょっと扱いづらいものと言えるかもしれません。
J-REITは大きく値動きすることもありますから途中売却を意識した投資をする人にとっては購入時手数料が高いのはネックになります。
中長期の投資で保有を前提とする人向けと言えそうです。
ただし長期保有を前提として毎月分配型でなくてよいなら、「J-REIT・リサーチ・オープン(年2回決算型) 」を選ぶという選択肢もあると思います。
自分の投資スタンスをよく考えてから購入するようにして下さい。
J-REITリサーチオープン(毎月分配型)が購入できるネット証券
なるべく安い手数料の証券会社を選んで取引することをおすすめします。
購入時手数料(税込) | 販売会社 |
---|---|
2.7% | SBI証券 |
2.7% | 楽天証券 |
※2014/08/22時点
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