貸株サービスとは?リスクに注意して仕組みを理解する

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貸株サービスとは?リスクに注意して仕組みを理解する

 

 

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貸株サービスとは?

 

その名前からイメージできる通りですが、

個人が保有している株式を第三者へ貸し出すサービスのことです。

 

直接的には個人投資家が証券会社へ貸し出すことになるのですが、

証券会社は貸株市場を通じて機関投資家などの第三者へ貸し出しています。

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株式を借りた側の証券会社、もしくは第三者の機関投資家は、

貸株の利用料として金利を支払うことになっており、それを個人投資家が受け取る流れとなっています。

※貸株金利の利率は証券会社ごとに異なります。

 

株式を貸し出す代わりに金利が受け取れるというサービスですが、

通常、株式投資で得られる、値上がり益、配当益に加えて、

金利収入を上乗せして得られるというメリットのあるサービスです。

 

point借り手側である機関投資家は、外資系証券会社やヘッジファンドが挙げられますが、信用売りなどのショートポジションを決済するのに貸株で借りた株券を利用しています。

 

 

いつでも好きなように貸出指示と解除ができる

 

自分が貸し出したい株式を「銘柄毎」に貸し出すことが可能です。

含み損の塩漬け株などずっと保有しているだけの銘柄のみを貸し出すけど、他は貸し出さないなど自由に指示が可能です。

銘柄によっては高い金利ボーナスが上乗せされるものもありますので、

そういった銘柄だけを貸し出すというのもアリです。

 

自分が貸し出したい「数量」のみを貸し出すことも可能です。

貸し出した株式の名義が変わることにより株主総会の議決権を失う可能性がありますので、

最低限の株式数は貸し出さないで権利を確保しておくなど一部の数量を貸し出しすることが可能です。

 

いつでも好きな「タイミング」で貸出指示と解除をすることが可能です。

貸株サービスによる金利は、1日単位で得られますので、

好きな期間を自由に貸し出してその期間に応じた金利を受け取れます。

 

※貸し出しの指示と解除は、

証券会社にもよりますが4~5営業日程度の時間差で反映します。

 

 

取引に制限はなくいつでも売却可能

 

貸し出している株式はいつでも自由に売却可能です。

貸株サービスで貸し出しているからといって売却などの取引に一切制限はありません。

 

しかも貸株設定を解除することなく、

すぐにでも売却可能となっていますので手間がかかりません。

 

売却した場合に受け取れる貸株金利は、

約定日から数営業日前までとなります。
※詳細なルールは、各証券会社にて確認してください。

 

 

貸株サービスでは名義が変わる点に注意

 

株式を保有しているときに得られる権利としては、

株主総会の「議決権」、「株主優待」、「配当金」などがあります。

 

当然、これらの権利は株式が名義が自分のものになっていなければ受け取れませんが、

貸株サービスで貸し出した株式は貸出期間中、第三者の名義になっています。

 

それぞれの権利確定日に第三者名義となっていた場合、

その権利が受け取れません。

 

しかし、うまく貸し出し設定の変更をすることで権利を得ることも可能です。

権利確定日に自分の名義となっているように貸株指示を解除しておけばOKです。

 

貸し出しを解除した期間は、貸株金利が受け取れませんが、
その他の権利を取得することが可能です。

 

配当金に関しては権利確定日に貸株設定のままとなっていても「配当金相当額」として配当金の代わりとなる現金を受け取ることは可能です。

ただし注意点もありますので以下参考にして下さい。
=>貸株サービス配当金相当額の二重課税デメリット知らないとマズイ

 

 

長期保有継続の株主優待は貸株にしないように注意

 

長く保有するほど株主優待のランクがアップする銘柄が存在します。

例えば以下のようなものがあります。

 

◆ビックカメラ
2年以上継続保有(100株以上)で株主お買物優待券(1000円)を2枚追加

◆ぴあ

2期以上(1年超)継続保有(100株以上)の場合、優待金額が+2500円アップ。

◆オリエンタルランド

5年間継続保有(100株以上)でパークで利用可能な1デーパスポートを4枚追加。

※2017/02時点の内容です。優待内容は変更される場合があります。

 

通常、権利確定日のみに名義が自分のものとなっていれば優待をゲットすることができますが、

毎回の権利確定日だけ、貸株を登録、解除して名義を自分のものにすることを繰り返し継続して権利を獲得しても、

長期保有継続の優待権利がもらえない可能性が高いので注意が必要です。

 

それは継続保有の定義というのが発行会社によって異なるためですが、

決算日以外にも株主名簿を確認する場合があるのでその際に、名義が他人のものに変わっていれば継続保有とならない場合があります。

 

また何らかの理由により、株主名簿の株主番号が変わり連続性が途切れてしまうことで継続保有とならない可能性もあります。

 

長期保有継続の株主優待を目的とする銘柄は、

貸株サービスの対象としないほうが良いと思いますので注意してください。

 

 

NISA口座の株式は貸株サービスは利用できない

 

NISA口座で買い付けた株式については、

制度上、貸株サービスを利用することはできません。

 

特定口座、一般口座で買い付けた株式のみが対象となります。

 

NISA口座の枠をすぐに使い切ってしまうような人は、

金利が高く貸株にしたい株式については特定口座で買い付けるなど、

NISA口座で買い付けるものと使い分けするといいかもしれません。

 

 

株式にはない信用リスクがあるので要注意

 

通常、証券会社で管理している株式は、「分別管理」と言って証券会社自身が保有している資産とは便利に管理することが法律で義務付けられています。

そのため証券会社が破綻しても、自分の株式、金銭は何の影響もなく返還されることとなっています。

関連参考=>投資信託の運用会社が破綻しても保護されます

 

そして万が一、証券会社が分別管理の義務を違反していて返還されないような事態になった場合、「投資者保護基金」にて補償(1,000万円を上限)を受けられる仕組みとなっています。

 

ところが貸株サービスで貸し出した株式というのは、

名義が証券会社、もしくは第三者のものとなっていますので分別管理の対象外となります。

 

当然ながら、

「投資者保護基金」の対象外でもあり補償を受けることもできません。

 

要するに、

証券会社が破綻した場合、株式を失うリスクがあるということです。

 

また証券会社が貸し出している第三者が何らかの要因によって株式を返却できないことも想定されますが、その場合は、証券会社にて株式を調達して返却できるように努力するとなっています。

この場合、遅延損害金を受け取れたり、最終的に返却できない場合は、金銭での精算となるようです。

※証券会社によってルールが違う可能性がありますので各自でご確認ください。

 

もし貸株サービスを利用している証券会社の信用が怪しいと感じたら、

貸株サービスを解除するということを念頭においておくということがリスクを認識するということです。

 

 

証券会社の信用格付けを確認しておく

 

破綻した場合に株式を失うリスクを信用リスクといいます。

 

信用リスクに注意するには会社の財務状況を把握しておく必要がありますが、

第三者機関の格付けなど信用力が高い状態であることは確認しておくとよいです。

 

格付け会社は多くの会社が存在しており、格付けしている会社も異なります。

以下は日本の格付け会社によるネット証券の格付けを一部、調べてみたものです。

 

◆大手ネット証券の格付け一覧

JCR R&I
マネックス証券 BBB / 安定的 2017/01/16 - -
カブドットコム証券 A+ / 安定的 2017/01/16 - -
楽天証券 A / 安定的 2016/09/20 A- /安定的 2016/10/27
SBI証券 - - BBB+ /安定的 2016/09/02

JCR・・・株式会社日本格付研究所

R&I・・・格付投資情報センター
「-」は該当の格付け会社で格付け情報を確認できなかったものです。

※最新の情報は各自でご確認ください。

 

格付けというのは第三者による評価ではありますが、

あくまでも1つの評価にすぎません。

 

格付けが低いよりは高い方がいいと思いますが、高いからと言って絶対に大丈夫だとも言い切れませんので過信しすぎないように注意してください。
他の証券会社より目立って低いようであれば怪しく思ったほうがいいです。

 

気になる人は、決算書の内容や株価を見てみたり、
他の格付け会社での格付けを確認するなどしてみるとよいです。

 

 

リスクに見合わないから利用しない方が良い?

 

貸株サービスの金利は基本的に低く、

0.1%や0.5%などと設定されていることが多いです。

 

なかにはボーナス金利として、

10%以上などという異常に高いものがありますが、

そういった銘柄は株価の変動もそれ以上に大きいので、価格変動リスクに見合うかどうかは注意が必要です。

 

それで基本的に低い貸株金利に対して、

証券会社が破綻した場合のリスクが大きく、

金利はそれに見合う利益ではないということで貸株サービスを利用しない人はいます。

 

この点は必ず自己責任において理解し、利用されるように注意してください。

 

 

私個人としての貸株サービス利用について

 

私、個人としては貸株サービスを利用しています。

ただやはり信用リスクは怖いので全ての株式を貸株として利用しているわけではありません。

 

特に配当目的でずっとほったらかしにしている株式を対象としていますが、

それ以外に優待目的や短期売買するようなものは別の証券会社で買い付けるようにしてハッキリと区別しています。
貸株サービスを利用するのは名の知れている人気でメジャーな証券会社を選び、マイナーな会社ではやりません。
参考=>ネット証券の口座数をランキング見えた穴場とは?

 

また、私は株式以外で投資信託などの資産が多いので、

貸株にしている株式の投資比率も高くはありません。

 

投資のリスク管理の基本である、

資産の分散は意識してリスクのとりすぎにだけ注意しておくとよいです。

 

それから証券会社の財務状況が悪くなりそうだと思ったら、
貸株サービスの利用を停止するということを意識することだけは忘れないようにしたいです。

 

 

貸株サービスは証券会社によってサービス内容が異なる可能性があります。
サービスの詳細な内容は、一般的なルールを鵜呑みにせず各証券会社にて確認してください。

 






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