One Tap Buyは使えるか?評価してみた
「One Tap Buy(ワンタップバイ)」とは、証券会社の名前であり、スマホアプリの名前にもなっています。スマホから簡単なタップをするだけで投資が出来てしまうということで話題になっています。※パソコンでも取引可能
おもにネット証券を利用している私が使えそうなサービスなのか独自の視点で評価してみます。
目次
One Tap Buyの投資銘柄ラインナップ
取り扱っている銘柄は以下の通り。
◆米国株(30銘柄)
◆日本株ETF(3銘柄)
◆日本株(30銘柄)
※2017/07/31時点
<管理人の評価コメント>
株の銘柄というのは何千とありますが、現状では有名銘柄のみで取扱銘柄が少ないのはちょっと残念ですが、 投資初心者にとっては名の知れた有名企業の株を買うところから始めだけでも十分、意味があるので悪くはないです。
特に、米国株は情報が少ないので初めて投資する人は、有名企業から取引を始めるのは良いことだと思います。
今後、取扱銘柄が増えることもあると思うので期待したいですね。
最大の特徴は1000円で投資できること
特徴は以下の通り。
◆1000円から購入できる
(※取引単位は1000円以上1000円単位)
◆金額単位で投資
<管理人の評価コメント>
1000円というかなりの少額から取引できるのは大きなメリットです。
例えばトヨタ株は、約63万円(取引は100株単位で、1株6.3万円)以上、資金が無いと取引出来ないです。※2017/07/31時点
日本株については単元未満株サービスといって、1口に小分けして少ない金額で取引できるサービスが大分前からありますが、
One Tap Buyなら、1口の金額が大きくても、さらに少額で小分けにした取引を実現しています。
例えば1株6.3万円のトヨタ株でも1000円という、さらに小分けされたものを取引できる。
また株の取引単位や金額は通常、異なるので色々な銘柄に分散して買い付けた場合、 どうしても、取引金額の大きい銘柄にリスクが偏りがち。
金額(1000円)単位での取引なら、複数銘柄へ投資してもリスクが均等にできる。
金額指定で購入できる投資信託の良いところを取り入れていると言えます。
そのため、投資信託などで活用されるドルコスト平均法が使えるので長期的な資産づくりに向いていると言えます。
米国株の場合は日本株と違いもともと全て1株から買えます。
しかし、為替レートにもよりますが、数千円~数万円などの取引単位となりますので、
1000円という小分けで購入できるメリットは大きいです。
米国株を小分けにして少額で取引できる初のサービスと言えます。
One Tap Buyの手数料は悪くない
各投資対象別の手数料は以下の通り。
投資対象 | 手数料 |
---|---|
米国株 | 0.5%/0.7% ※1 |
日本株ETF | 0.50% |
日本株 | 0.50% |
※1 米国市場の取引時間内は、0.5%。取引時間外での注文は、0.7%。
為替手数料は別途必要です。
<管理人の評価コメント>
米国株の手数料はネット証券のなかでも安い方だと思います。
=>ネット証券の米国株手数料はこちら
※為替手数料は別途確認してください。
日本株の手数料についてはネット証券会社の単元未満株と同じ料率ぐらいなので悪くないと思います。
=>ネット証券会社の単元未満株手数料はこちら
当然ですが、通常の証券会社では単元株単位での取引や大きい取引金額になればなるほど手数料率は下がるものです。
例えば大手ネット証券でトヨタ株を1単元(100株)取引すると手数料率は、約0.08%~0.16%となります。※2017/07/31時点
手数料の差が損益に大きく影響するデイトレードでは手数料が一律で、取引のスケールメリットを活かせないOne Tap Buyは不向きです。
単元未満株も同じですが、小分けにして売るということは独自のサービスで会社がリスクも背負っているので、そもそも手数料は多少割高になってしまうのはしょうがないものだということは理解しておいた方がいいと思います。
他の証券会社と比べてサービスが劣っているところ
今までにない新しいサービスなので単純比較はできませんが、
既存のネット証券などと比べてサービスが劣っている点を挙げてみます。
◆(1)取扱銘柄数が少ない
◆(2)貸株サービスが利用できない
◆(3)NISA口座が開設できない
◆(4)配当の受け取りが「株式数比例配分方式」のみ
◆(5)出金手数料がかかる
<管理人の評価コメント>
(1)取扱銘柄数が少ない
大前提としてOne Tap Buyを実現するうえで銘柄を絞ることが重要だったのだと思いますのでしょうがないものなのですが当然、取り扱っていない銘柄を取引したいのなら使えません。
(2)貸株サービスが利用できない
貸株サービスとは、保有している日本株を証券会社に貸し出すというもので、貸し出す代わりに金利を受け取ることができます。(※ただし、リスクはあります。)
しかし、One Tap Buyでは貸株出来るサービスがありません。
(3)NISA口座が開設できない
基本的に一般的な証券会社ならどこでもNISA口座は開設出来るのですが、
One Tap BuyではNISA口座を開設出来ません。
(4)配当の受け取りが「株式数比例配分方式」のみ
株式の配当受け取り方法には3種類あるのですが、1つに限定されています。
One Tap Buyでは株式の配当は証券会社の口座に振り込まれる方式のみ。
特に問題ない人も多いので人によっては気にしない人も居ますので必ずしも劣っているというわけではないですが、
個人的には指定の銀行へ振り込む方式を選択したい理由があるので選択できないのはちょっと残念です。
※One Tap Buyでは金額指定での取引となるため保有株の数量が小数点以下になります。 小数点以下の株は保管振替機構に登録できず手続きが煩雑となるため、一括して株式数比例配分方式しか選択できないようにしているそうです。
(5)出金手数料がかかる
多くの証券会社では証券口座へ入金する際に振り込み手数料がかかりますが、出金する際の手数料は証券会社側が負担することが多いです。
しかし、One Tap Buyでは入金、出金ともに手数料が必要です。
自分が利用している銀行によって違いますが、1回につき108円~378円必要です。
ただ長期的な投資の場合、ほとんど出金しないかもしれませんのでそれほど気にする必要はないかもしません。
今後、さらなるサービス拡充はあるかもしれませんので上記の改善に期待したいと思います。
どういう人におすすめ?
<管理人の評価コメント>
※NISAを利用しない前提であることを理解する
まず少額投資で長期投資をするために利用する前提で考えると、利益が非課税となるNISA口座が使えないのは大きなデメリットなので注意したいところですが、
他の証券会社でNISA口座を利用していて、別の投資として考えるのであれば関係ないとも言えますので大前提として理解しておいて下さい。
少額かつ定額でリスクを均等にしたい人
既存の単元未満株サービスでもある程度、小分けにした買い付けは出来ますが、 どうしても1000円という少額で購入したいのならOne Tap Buyを使うしかないです。
少額という金額だけでなく、定額で複数銘柄を保有したときの偏りをなくし、リスクを均等にしたいなど 投資戦略によってはやってみる価値はあると思います。
米国株買い付け時の為替変動リスクを抑えたい人
米国株の取引は円をドルに両替して取引します。 時として為替の変動は株価の変動よりも大きいことがあるため、為替リスクに気をつける必要があります。
米国株をより少額で、買い付ける日を分散すればするほど、為替の急激な変動を抑えることが出来ます。
分散メリットでいうと、日本株より、米国株の方がメリットはより大きいと言えるかもしれません。
米国株の手数料は魅力的だと思う人
日本株は昔よりも随分、手数料が安くなっていますが、米国株の取引はまだ割高なところも多いです。特に、少額取引。
米国株の場合、1回の取引に最低、約2500円以上の手数料がかかる証券会社も多いのでそれと比べると利用価値は大きいです。
初心者が投資の訓練として利用する
色々デメリットについてもお話ししていますが、 利益を追求する以前に投資の訓練をするのにはとても役立つと思います。
投資初心者は、いきなり大きな金額を投資すると失敗しますので、失敗して当然というくらいの気持ちで考えておいた方がいいです。
1000円で買えるのはここだけなのでリスクを最大限、抑えて投資に慣れることを優先してみるのはいいと思います。
また1回の取引に大きな金額を必要とする投資は必然的に取引回数が少なくなります。
1000円からの少額であれば、沢山の取引回数を経験することが出来ますので、投資の経験を積みやすいと思います。
総合的に考えると、
特に米国株の投資経験を積みたいという人にはおすすめかもしれません。
なぜ定額買い付けサービスが実現できる?
最初、定額で購入できるという話を聞いた時は、
投資信託のような扱いになっているのかと思いましたが、しっかり実物株として取引されていることが分かりました。
当然、実物株なので運用手数料はかかりません。
※ETFはもともと運用手数料が存在するものなので除く。
例えば1株1万円の株を1000円分買い付けた場合、
保有株は、0.1株となります。
※イメージを分かりやすくするため手数料は省略した概算です。
なぜこのようなことができるかというと、
One Tap Buyが市場で株式を仕入れて、それを内部的に金額で分割計算して株数を算出して小分けで販売するという仕組みになっています。
上記の例では他の誰かが買い付け注文を出していなければ、
One Tap Buyが残りの99.9株を保有しているようなイメージです。
※1単元は100株とします。
顧客に小分けして販売しているということは、
売れ残った分は、One Tap Buy自身が保有しているということです。
One Tap Buyがリスクを背負った上でこのサービスを実現しているというわけです。
★この記事を読んだ方はシェア/ブックマークで応援お願いします。
スポンサードリンク
お役立ち関連記事
ついでに読みたい
証券会社 メニュー証券会社 メニュー